成就院だより No.19「弘法大師渡唐解䌫慶讃法要」
去る令和元年5月23日、24日、真言宗智山派の青年僧侶の集いである「第56回智山青年連合会全国結集肥前田浦大会 弘法大師渡唐解䌫慶讃法要」に参加しました。
当大会は、「叡智請来」というテーマのもと長崎県平戸市に於いて開催され、この平戸という場所は若き日の弘法大師空海が遣唐使として唐に向かい出発した地です。
延暦23年(804)7月6日、4隻の遣唐使船が唐へ出航しました。第1船にはまだ無名だった空海、そして第2船には後に天台宗を開く最澄が乗船しました。第3船、第4船は暴風雨のため行方不明となり、第2船は明州鄮県(現在の浙江省寧波市)に到着、第1船は約30日の漂流の末に渓県赤岸鎮に到着しました。
空海は長安に向かい、青龍寺の恵果和上から真言密教を授かり、さらには最新の文化や技術なども体得し、日本へ帰国しました。帰国後、恵果和上から授かった真言密教をさらに発展させ真言宗を開きました。
空海は「虚往実帰」という言葉を残しています。「虚しく往きて、実ちて帰る」、真言密教を求めて唐に渡りその真髄を体得して帰国した空海自身を示していますが、これは空海だけではなく、我々の人生においても同じことが言えることではないでしょうか。